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腟の緩みは改善できる?骨盤底筋トレーニングで始める腟トレ入門

「骨盤底筋を締めて」と言われても、どこをどう動かせばいいのかピンと来ない──そんな声をよく耳にします。

実は、40〜60代女性の約半数が尿もれを経験するとされますが、腟・骨盤底筋の“ゆるみ”を改善する目的で骨盤底筋トレーニング(腟トレ)を習慣化できている人は多くありません。

正しい動かし方がわからないまま自己流で続けても、期待した効果が得られないどころか逆効果になることもあります。

そこで本記事では、見えにくく意識しづらい“骨盤底筋”の場所をしっかり確認しながら、腟のゆるみ改善につながる骨盤底筋トレーニングの方法をご紹介します。 

1. そもそも骨盤底筋はどこにあるの?

骨盤底筋は、骨盤の出口をハンモックのように覆うインナーマッスルの集合体です。

膀胱・子宮・直腸といった臓器を下から支え、排尿・排便をコントロールする重要な役割を担っています。

おなかや背中の筋肉と違い、関節をまたがず体の深部にあるため動きが感じにくいのが特徴です。

骨盤底筋の位置をつかむコツは「おならを我慢する」「尿を途中で止める」といった感覚を思い出すこと。
肛門から恥骨へ向かうライン上で“内側にキュッと引き込まれる”感触があれば、それが骨盤底筋です。

まずは会陰部(腟と肛門の間)に手を当て、締めたときにわずかに引き上がる動きを確かめたり、仰向けに膝を立てた姿勢でゆっくり呼吸しながら締めたり緩めたりして、場所と動く感覚を確認してみましょう。

1.1 なぜ腟と骨盤底筋を“正しく”動かすことが大切なのか

骨盤底筋は「締める・緩める」の両方がスムーズにできて初めて本来の機能を発揮します。
正しく動かせるようになると、このような効果が期待できます。

  • 腟や骨盤底筋のゆるみ改善につながる
  • 咳やくしゃみなど瞬間的な腹圧でも尿もれを防ぎやすい
  • 骨盤内の血流が改善し、冷えや生理痛の緩和が期待できる
  • 出産後の骨盤ケアや、加齢による骨盤臓器脱の予防につながる
  • 性交痛の軽減、感度の向上などセルフケア面でもメリットがある

逆に、お腹に力を込めて“いきむ”ように締めてしまうと、骨盤底筋は押し下げられ負荷がかかり、ゆるみや機能低下につながります。

正しく動かすポイントは呼吸にあります。

息を吐くと横隔膜が上がり、それに連動して骨盤底筋も引き上がります。

吐きながらゆっくりと締め、吸いながらふっと緩める
このリズムを守ることで、遅筋(持続的な運動を行うときに活躍する筋肉)と速筋(瞬発力やパワーが必要な運動を行うときに活躍する筋肉)の両方をバランスよく鍛えられます。

まずは1日数回、仰向けや四つん這いなど内臓の重みがかかりにくい姿勢で練習し、慣れてきたら座位や立位でも実践してみてください。
「締め方がわからない」状態から、自分の体を自在にコントロールするための第一歩になります。

2.今日からできる!腟トレ・骨盤底筋トレーニング方法 

骨盤底筋は“鍛える”より前に“感じ取る”ことがスタートライン。
ここでは、今日から自宅で始められる基本エクササイズを紹介します。

2.1 腟トレの準備:まずは腟・骨盤底筋を意識する 

■イメージトレーニングステップ

1.姿勢を整える 

仰向けになり膝を軽く立て、足は骨盤幅に。
背中と腰はリラックスさせ、肩の力も抜きます。
内臓の重みが骨盤底にかかりにくいので、初心者でも動きを感じ取りやすい姿勢です。

2.“締める場所”を探す 

  • 尿を途中で止める
  • おならを我慢する

どちらかをイメージしてみましょう。

骨盤の中心が“内側にキュッ”と引き込まれる感覚があれば正解です。
最初は肛門と腟が同時に動いて構いません。

3.タオルで感覚を掴む 

フェイスタオルを丸めてお尻の下に当て、2の動きを繰り返します。
タオルが押し上げられる → タオルが沈む、という変化がわかれば、骨盤底筋を動かす感覚がつかめています。

4.緩める感覚もセットで覚える 

締め切ったら「3秒キープ → ふわっと脱力」。
骨盤底筋は締めるだけでなく、緩めることも大切です。

緩めた瞬間の”温かく広がる感じ”を意識しましょう。

2.2 呼吸がカギ!スムーズに締めるためのブレスメソッド 

骨盤底筋と横隔膜は連動しています。
呼吸で動かす感覚をつかめると、筋トレのように力まなくても自然に「締める・緩める」のスイッチが入ります。

1.基本リズムを覚える

吐く:横隔膜が上がり、骨盤底筋も引き上がる(締まる)

吸う:横隔膜が下がり、骨盤底筋は緩む

2.カウント法で動きを固定 

トレーニングステップで紹介した仰向け姿勢のまま、

  • 2~3秒かけて息をゆっくり吐きながらゆっくり締める
  • 2~3秒かけて息を止めてキープ
  • 4~6秒かけて鼻から吸い、脱力して緩める 

これで1回。

10回繰り返して1セットです。

3.生活の“すきま”に呼吸をリンク 

朝ベッドの中で1セット、デスクワークの合間にイスで1セット、歯磨き中に立位で1セット。
合計3セットでも毎日続ければ十分な刺激になります。

大事なのは腹圧でいきまないこと。

お腹がポコッと出たり肩が上がった場合は、一度呼吸を整えてから再開を。
続けるコツは“ゆるく毎日実践すること”

「今日はたった1セットしかできなかった…」と落ち込むより、“ゼロの日を作らない”ことを目標にしましょう。

まずは呼吸とともに骨盤底筋を動かす練習をしてみてください。
続けるほどに「締め方がわからない」が「もっと動かしたい!」に変わるはずです。

3. ステップアップ編:骨盤底筋を部位別に動かすテクニック

ベーシックエクササイズで“締める・緩める”の感覚がつかめたら、次は骨盤底筋をパーツごとに動かすステップへ進みましょう。
大切なのは 「肛門 → 尿道 → 腟 → 全体」 の順に意識を細かく切り替え、呼吸と連動させることです。

■部位別に鍛える方法

1.肛門を締める

仰向けで膝を立て、脚を軽く“がに股”に開きます。
おならを我慢するイメージで肛門だけを「キュッ」と内側へ。

息を吐きながら引き上げ、吸いながらゆるめて10回繰り返す。

2.尿道を締める

同じ姿勢で先程よりも膝を閉じ、今度は“おしっこを途中で止める”意識。
肛門ほど強く締めず、尿道口を引き込む感覚で10回繰り返す。

3.腟を締める

肛門と尿道の間にフォーカス。呼気で「じわ〜っ」と中央を引き上げ、吸気でリリース。これを10回繰り返す。

4.全体を順番に締める

肛門 → 腟→ 尿道と後ろから前へ“波”を送るイメージで連続収縮。

慣れると筋肉が内側・上方向にスライドするのを感じ取れます。
この4ステップを1セットとし、朝晩2セットを目標にしてみましょう。

部位ごとに締め分けられるようになると、くしゃみやランニングなど急な腹圧にも、とっさに反応して締める力が身につきます。

3.1 立つ・座る・寝る——姿勢別 腟・骨盤底筋の動かし方

姿勢ポイントメリット
寝る(仰向け膝立て)内臓の重みがかからず動きを感じやすい。腰は反らさずフラットに。初心者向け動作確認に最適
四つん這い手は肩幅、膝は股関節幅。肘をついてお尻を高く上げると引き上げ方向が体感しやすい。初心者向け呼吸と連動させやすい
座る(骨盤を立てる)イスに深く座り、坐骨が座面に当たる位置で。猫背や反り腰はNG。デスクワーク中にこまめに実践可
立つ(肩幅スタンス)かかとの上に股関節、耳の下に肩が来るラインを意識。お腹は凹ませず自然に。日常の「くしゃみ」「走る」「ジャンプ」時に即応用

姿勢が変わると重力の方向も変わり、骨盤底筋の使い方も微調整が必要です。

まずは動きを感じやすい“寝姿勢 → 四つん這い → 座位 → 立位”の順に挑戦すると、スムーズにレベルアップできます。

3.2 これはNG!つい力みすぎてしまう「いきみ」に注意

骨盤底筋トレーニングで最も多い失敗が、腹筋に力を入れて“いきむ”動きです。

  • 便を出すように下腹を踏ん張る
  • 肩やお尻まで同時に緊張させる

こうした力みは骨盤底筋を下方へ押し出し、かえって緩みやすい状態を招きます。
チェックの方法は簡単でお腹に手を当て、締める瞬間にお腹が硬く盛り上がっていないか確認しましょう。

もし力んでいたら、一度呼吸を整え「吐く息とともに骨盤底がスーッと上がる」感覚に戻してから再開してください。

4. 自分でチェック!腟・骨盤底筋が動いているかを確かめる方法

「動いているつもりだけど、本当に締められているの?」

そんな不安を解消するセルフチェックを3つ紹介します。

1.鏡で見て・手を当ててチェック

あお向け膝立て、手鏡で会陰部をチェック。

正しく骨盤底筋を引き上げると、腟口・肛門・会陰が“キュッ”と内側へ引き込まれます。
動きが見えなければ腹圧でいきんでいないかを確認しましょう。

鏡が使いにくいときは、会陰部に手を当てて動きを確かめる方法もおすすめです。

服の上からでも、締めたときに“キュッ”と引き込まれる動きが指先で感じられます。入浴中、湯舟の中で手を当てて確認するとリラックスした状態でチェックしやすく、習慣にもしやすい方法です。

2.指で触れて感覚チェック

清潔な指を第2関節付近まで腟に挿入し、締めると指が軽く吸い込まれるような圧を感じます。
力を抜くとフッと指が緩みます。

この収縮と弛緩がはっきりわかれば大丈夫です。

3.計測アイテムで数値チェック

irohaヘルスケアから発売されているケーゲルチェッカー(腟圧測定器)を使うことで、骨盤底筋の締まりを数値で確認することができます。

正しく動かせないと数値は変化しないので、客観的に把握しやすくなります。
まずは呼吸を意識しながらこれらの方法でチェックしてみましょう!

お腹やお尻に力が入っていると正しい動きではなくなってしまい、トレーニングの効果も薄れてしまうので注意しましょう。

5. 動きが硬い?そんなときは腟マッサージでウォームアップ

骨盤底筋は“締める”前に“ほぐす”ケアが欠かせません。

理由は筋肉が緊張していると、動きが鈍くなるからです。
これはスポーツなどでも準備運動が必要なことと同じです。

ここでは自宅で簡単にできる「ほぐすケア」の方法をご紹介します。

ステップ① 股関節ストレッチ

仰向けで両膝を抱え胸に引き寄せ10秒キープ×3回。
骨盤内の血流を促し、筋肉を温めます。

ステップ② 会陰マッサージ

  1. 人肌に温めたオイルを人差し指にとる
  2. 会陰部(腟と肛門の間)を時計回り・反時計回りに円を描くように3分ほど優しくなでる
  3. 痛気持ちいい程度の圧で上下になぞり、最後に深呼吸でリラックス

ステップ③腟壁ほぐし

清潔な指にオイルを塗り、腟壁の浅い部分を「U」の字を描くようにマッサージ。
硬いところがあれば息を吐きながら優しくプレスします。3〜5分を目安に。

注意点

  • 爪は短く切り、滑りを良くするためオイル必須
  • 刺激しすぎは逆効果。痛みや出血があるときは中止
  • 妊娠中や産後、婦人科系疾患がある場合は医師に相談を

ウォームアップで柔軟性が戻ると、エクササイズ時の“引き上げ感”が格段にアップします。

ストレッチ → マッサージ → トレーニングの流れを週2〜3回取り入れ、スムーズに動く骨盤底筋を取り戻しましょう。

6. まとめ

腟や骨盤底筋の緩み改善には、まず正しい動きができているかを確認することが大切です。

鏡や指、腟圧測定器を使ったセルフチェックで現状を把握し、必要に応じてウォームアップ(ストレッチや腟マッサージ)を取り入れましょう。
事前に筋肉をほぐして柔軟性を高めてから、骨盤底筋トレーニング(腟トレ)を行うことで、効果が上がりやすくなります。

ただ、無理のない範囲で継続し、痛みや出血などの異常があればすぐに中止して医師へ相談してください。

毎日の小さな積み重ねが、将来の腟や骨盤底筋の健康を守る第一歩になります。

※本記事はセルフケアの一例であり、症状の強い方は医師にご相談ください

<この記事の著者>

フェムテックKAGOSHIMAクリニック

福元佑子

徳島県出身。岡山県の大学病院で放射線科医として勤務。2人の子どもを妊娠・出産し、共働きで育児をこなす。
2017年に夫(医療法人友心会福元クリニック理事長・福元メンズヘルスクリニック院長・泌尿器科医)の地元・鹿児島へ移住。女性医療脱毛を行いながら、様々な相談を受けるにつれ、女性に本当に必要な、気軽に相談できるクリニックをと開業を決意。

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